漢方の症例
月経時の頭痛
月経時期におこる不調の中で、頭痛の相談がたまにある。
一例は30代の女性、月経近くになると吐き気を伴う頭痛がある。10代後半から出ているらしい。手足の冷えと吐き気から、陰性の頭痛に用いる漢方を候補に選び、頭部を糸練功でチェックして確認した。
最初の月経時には頭痛があったが、その次から頭痛が軽くなった。冷たいもの、生野菜・海藻類を控えてもらい、漢方を続けると3ヶ月ほどで全く症状が出なくなり漢方治療を終えた。
もう一例は30代の女性、数年前から月経前に耳から頭にかけての痛み、だるさ、吐き気がある。頭痛の専門医の治療を受けたが改善されないとのことで相談に。
望診、問診内容から陰性の頭痛のタイプとみられ、候補の漢方を試したが、2回目に糸練功でチェックしてみるとやや陽証が混ざっていることに気がつく。
候補の薬方を考え直し、やや陽証で婦人に使う独特の気剤が多い漢方薬に切り替えてみたところ、次の月経から頭痛は半分くらいに軽くなった。継続治療していくと1/10くらいになった。再発防止まで経過をみたいと思っている。