漢方の症例
手荒れ、異汗性湿疹
この半年くらいで女性の手荒れ(アレルギー性皮膚炎から異汗性湿疹などまで)の相談が多かった。中途でやめられた患者さんもいたが、ある程度継続された患者さんほとんどに治療効果がみられた。その中でももっとも苦労をした症例を紹介する。
40代の女性、異汗性湿疹。手掌にかゆみを伴う水疱と部分的な発赤と皮膚の荒れ。
口唇の荒れと月経不順がみられたことから、それらを考慮した漢方をお勧めしたが効果がみられない。確かに、表の燥湿が水疱部分で矛盾しているように思う。
糸練功でやわらかい反応をよく探して調べ直すと、表の湿に対する薬方の適する反応をみつけ、方針を変えてそこをメインの治療点と考えて薬方を組み直した。
これがうまく効いてきたようで、手掌の発赤と水疱はかなり減った。
その後、指先のひび割れと小さいプツプツを部分的に繰り返す。大きな水疱やかゆみは出ないようだが、ところどころ発赤などもみられることがあり、概ね良いが部分的には一進一退の感じであった。
漢方薬にアレルギーに対する薬味を補助してみたところ、発赤はほぼみられなくなる。
しかし、指先のカサカサとした感じ、小さなプツプツが消え切らない。
基本の薬方は変えずに、皮膚の新生を促す補助を検討してみたところ、ひとつ候補をみつけた。その後、改善速度が早くなり、部分的な一進一退はみられなくなってきた。指先のひび割れもなくなり、パッと見たところでは患部がどこにあるかわからないくらいになってきた。
漢方を始めて1年ほどかかったが、症状はほぼみられなくなり、再発防止向けて取り組んでいる。
この患者さんに使用した漢方薬 2週間分 4410円〜6,025円