漢方の症例
骨粗鬆性のひざの痛み
60代女性。骨粗鬆性のひざの痛み。
腰が重苦しい、起立時、歩行時、階段の昇り降りなどで激しいひざの痛みに苦しむ。正座ができない。
患部を糸練功で調べると、防已黄耆湯合桂枝加苓朮附湯証がみられる。
この患者さんの体質を考慮し、附子剤による身体の負担をさけるため代用方を検討。
グルコサミン降香製剤と代謝改善のための人参製剤を組み合わせたところ、顕著な痛みの減少が始まった。
1ヶ月後にはかなり楽になり、激痛はなくなる。階段もゆっくり降りられる。
その後、なるべく切らさないように継続し、6ヵ月後には日常生活で問題のない状態になり、ここでいったん終了とした。
少し無理をしたと思われる後には患部の反応が強くなり、安静にして回復を促すと患部の反応はぐっと小さくなる。痛むときは負荷をかけないのは大変重要だ。
その後、同様の症例で同じ代用方を用いて改善された例がいくつかある。
患者さんの状態によっては、牡蠣殻由来のカルシウム・ミネラル製剤を併用することで改善速度が良くなる例がみられた。
これらの膝関節症の患者さんはいずれも古典の漢方薬では防已黄耆湯関連の証がみられた。
ひざの痛みの場合も、腰痛などと同様に、次の3点が重要である。
①経筋病
②急性部分(関節の炎症や破壊の進行)
③慢性部分(関節の修復機能)
これらのうちの重要な部分(1点の場合も、3点の場合もあり)に絞って漢方治療や代用方を検討している。
この患者さんに使った漢方・補助剤の価格
グルコサミン降香製剤
1ヶ月分 12,000円
代謝を活発にする人参製剤
1ヶ月分 12,000円
お薬代は参考です。
ご病気の状態や症状の強さによって、同じご病気でも差があります。
膝の痛みの漢方治療について